「パチンコ業界はオワコンだ」という声がある一方で、「スマパチ・スマスロで市場が変わる」という声も聞かれます。実際、パチンコ・パチスロ市場の規模は2020年を底に2年連続で回復しており、参加人口も増加に転じています。今回は事実ベースでデータを整理し、パチンコ・パチスロ関連株への投資対象としてどう評価できるかをまとめます。
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パチンコ・パチスロ産業の市場規模 — 公営ギャンブルとの比較
2024年のパチンコ・パチスロ市場の売上規模(貸玉・メダル料)は16.2兆円(前年比+0.5兆円、+3.2%)。遊技参加人口は690万人(前年比+30万人)で、女性を中心に若年層の参加が増加しています。

ギャンブル産業 売上規模比較(2024年度)
| 種別 | 売上規模 | 管轄 |
|---|---|---|
| パチンコ・パチスロ | 16.2兆円 | 警察庁 |
| 中央競馬(JRA) | 3.31兆円 | 農林水産省 |
| ボートレース | 2.52兆円 | 国土交通省 |
| 競輪 | 1.33兆円 | 経済産業省 |
| 地方競馬 | 1.13兆円 | 農林水産省 |
| オートレース | 0.12兆円 | 経済産業省 |
出典:レジャー白書2025(goraku-sangyo.com)、公営ギャンブル売上推移(gamble-station.com)
公営ギャンブル全体の合計(約8.4兆円)の約2倍がパチンコ・パチスロです。「縮小した」と言われながらも、日本のギャンブル産業の中では依然として突出した規模を持ちます。
パチンコ・パチスロ市場規模の推移(2015〜2024年)

| 年 | 市場規模 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2015年 | 約24兆円 | 規制強化前の高水準 |
| 2017年 | 21.6兆円 | 遊技参加人口940万人 |
| 2019年 | 20.0兆円 | 2018年規則改正の影響が本格化 |
| 2020年 | 14.6兆円 | コロナ禍による休業・自粛で▲27% |
| 2021年 | 14.6兆円 | 回復せず横ばい |
| 2022年 | 14.6兆円 | 横ばい継続。11月にスマスロ導入開始 |
| 2023年 | 15.7兆円 | スマスロ浸透で回復基調 |
| 2024年 | 16.2兆円 | スマパチも普及。2年連続増加 |
出典:レジャー白書(goraku-sangyo.com) ※2015・2016・2018年は業界資料より推計
市場縮小の3大要因:
- 2018年規則改正:全ホールが旧規則機を2022年1月末までに新規則機へ入れ替え義務化。コスト増と集客力低下が重なった
- 2020年コロナ禍:全国的な営業自粛・時短要請で1年間で約5.4兆円(▲27%)が蒸発
- 競合娯楽の拡大:スマホゲーム・動画配信・オンラインカジノの台頭で余暇の選択肢が増加
店舗数も減少が続き、2021年の8,458軒が2025年には6,464軒まで縮小。ただし残存ホールは大型化・スマート化が進んでいます。
出典:藤商事 パチンコ・パチスロ市場規模(fujimarukun.co.jp)
スマパチ・スマスロとは?従来機との違いを比較表で解説
【パチンコ】従来機 vs スマパチ
| 項目 | 従来パチンコ | スマパチ |
|---|---|---|
| 玉の扱い | 物理的に扱う(打ち出し・回収) | 接触不要(内部循環、台内で完結) |
| 大当たり確率上限 | 1/320 | 1/350(上限が緩和・幅が拡大) |
| 出玉・確変 | 標準 | 確変・RUSH突入率の向上が可能 |
| 独自機能 | なし | Cタイム(スマパチ専用のゲーム性) |
| 衛生面 | 玉が汚れる・触れる | 清潔(玉に触れない) |
| 導入開始 | — | 2023年4月 |
【パチスロ】従来機 vs スマスロ
| 項目 | 従来パチスロ | スマスロ |
|---|---|---|
| メダルの扱い | 物理メダルを投入・払い出し | メダルレス(電子管理、接触不要) |
| 純増枚数 | 約5枚/G(AT・ART時) | 6〜10枚/G以上(上限が大幅緩和) |
| ゲーム性 | 規則の範囲内 | スマスロ独自仕様・新機能が追加可能 |
| 衛生面 | メダルが汚れる・重い | 清潔(メダル不要) |
| ホール管理 | メダル補充・精算が必要 | 運用コスト削減 |
| 導入開始 | — | 2022年11月 |
若年層を集客できるか?
レジャー白書2025では、女性の全年代(50代除く)でパチンコ参加人口が増加。清潔感・操作のシンプルさ・ゲーム性の向上がスマート遊技機の普及を後押ししています。ただし20代男性の取り込みは限定的で、スマホゲームとの競合は続いています。
パチンコ 販売台数 Top3(2025年)
| 順位 | 機種名 | メーカー | 販売台数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | e 新世紀エヴァンゲリオン ~はじまりの記憶~ | ビスティ | 40,500台 |
| 2位 | P スーパー海物語IN沖縄6 | 三洋物産 | 37,500台 |
| 3位 | e 東京喰種 | ジェイビー | 35,000台 |
パチスロ 販売台数 Top3(2025年)
| 順位 | 機種名 | メーカー | 販売台数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ネオアイムジャグラーEX | 北電子 | 75,000台 |
| 2位 | L パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ2 | ジェイビー | 35,000台 |
| 3位 | L 東京喰種 | クロスアルファ | 32,500台 |
パチンコはエヴァンゲリオン・海物語・東京喰種と有名IPが上位を独占。パチスロはIPを持たないジャグラーブランドが75,000台で圧倒的首位に立ち、スマスロ機(Lシリーズ)と旧来のS機が混在する構成となっています。
出典:2025年最も売れたパチンコ・パチスロはコレだ!(pachimaga.com)、2025年版遊技機販売台数ランキング(pachinko-curation.com)
上場パチンコ・パチスロ機メーカー 株価・PER・配当利回り一覧(2026年6月18日時点)
| 証券コード | 会社名 | 市場 | 主な事業 | 株価 | 時価総額 | PER | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6417 | SANKYO | 東証プライム | パチンコ・パチスロ機製造 | 1,543円 | 約3,549億円 | 7.6倍 | 5.18% |
| 6460 | セガサミーHD | 東証プライム | パチスロ機製造(サミー)・ゲーム・リゾート | 2,138円 | 約4,566億円 | 13.3倍 | 2.57% |
| 6412 | 平和 | 東証プライム | パチンコ機製造・ゴルフ場運営 | 2,064円 | 約2,060億円 | 10.0倍 | 3.88% |
| 2767 | 円谷フィールズHD | 東証プライム | 遊技機販売(流通)・IP(ウルトラマン等) | 1,352円 | 約885億円 | 6.2倍 | 5.18% |
| 6425 | ユニバーサルエンターテインメント | 東証プライム | パチスロ・パチンコ機製造 | 625円 | 約501億円 | 24.2倍 | —% |
| 6257 | 藤商事 | 東証スタンダード | パチンコ機製造 | 987円 | 約226億円 | 9.8倍 | 5.57% |
- SANKYO(6417):2025年3月期に過去最高益。パチンコ(26.4%シェア)・パチスロ(19.3%シェア)の両市場で業界初の同時首位。ビスティ・三洋物産・ジェイビーはいずれもSANKYOグループ各社で、2025年販売ランキング上位機種の大半が連結業績に反映される
- 円谷フィールズHD(2767):遊技機の製造ではなくホールへの販売(流通)が主事業。2026年3月期は遊技機販売台数約27.4万台(前期比+33.6%増)・市場シェア約18.2%。円谷プロダクション(ウルトラマン等)を傘下に持ちIPを遊技機に活用。グループ子会社クロスアルファ(非上場)は2025年パチスロ販売3位の「L東京喰種」を製造
- ユニバーサルエンターテインメント(6425):2024年12月期は経常損失55億円の赤字。2025年は営業利益160億円(前年比+429%)への大幅回復を見込む
- セガサミーHD(6460):パチスロはサミーブランドで製造。セガのゲーム・コンテンツ事業やリゾート事業も含む複合企業のため、遊技機の業績変動が株価に与える影響は限定的
- 北電子(ジャグラーEX):2025年パチスロ販売台数1位(75,000台)ながら非上場
出典:Yahoo!ファイナンス SANKYO(6417)、Yahoo!ファイナンス セガサミーHD(6460)、Yahoo!ファイナンス 平和(6412)、Yahoo!ファイナンス 円谷フィールズHD(2767)、Yahoo!ファイナンス ユニバーサルエンターテインメント(6425)、Yahoo!ファイナンス 藤商事(6257)
(円谷フィールズHDを詳細に調べました↓)

まとめ:パチンコ・パチスロ株への投資戦略
- 市場は「底打ち」の兆し:2022〜2024年と2年連続で市場規模が回復。スマスロが主な牽引役で、スマパチも普及が進んでいる
- 公営ギャンブルの2倍の規模は健在:16.2兆円は競馬・競艇・競輪・オートレース合計(8.4兆円)の約2倍。「縮小した」とはいえ絶対規模は巨大
- 上場投資対象はメーカー側:ホール(店舗運営)企業は非上場が多い。遊技機を製造・販売する機メーカーが主な投資対象となる
- 成長の持続性は遊技人口次第:人気機種の多くは北斗の拳・ガンダムなど既存IPへの依存が高い。若年層の新規取り込みがどこまで進むかが中長期の焦点
- 店舗数の減少は続く:2025年時点で6,464軒と、ピーク時(1995年: 18,244軒)の約35%水準。中小ホールの廃業は今後も続くとみられる
出典:SANKYO IR ログミーファイナンス、矢野経済研究所 パチンコ関連機器市場調査2025
今後の投資判断
・パチンコ・パチスロ産業は以前に比べて市場は減少したとはいえ、公営ギャンブルの2倍の規模は依然として健在であることが認識できました。
・またスマスロ人気が市場規模の再拡大をけん引していることもわかりました。
・人気のあるスマパチ・スマスロの台を生産している会社への投資は、現在でも投資妙味があると判断しました。
(Image by Jan Vašek from Pixabay)
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